2022.07.24

子どももポニーも大人も育ち合う
牧場ようちえん「ぽっこ」 

「ポニー」と「自然」の環境を活かした野外保育に取り組む『牧場ようちえん ぽっこ』(代表:上村礼奈さん)。公益財団法人ハーモニィセンターが運営する蓼科ポニー牧場の協力を得てスタートしてから、2年目を迎えました。牧場ようちえんって、いったいどんなところなのでしょう? 新緑がまぶしい5月のある日、ポニーと共に過ごす10人の子どもたちの生活を覗いてきました。

ぽっこ代表であり、保育士の上村礼奈さん。子どもたちからは「れいなっぱ」と呼ばれている。

■ぽっこの一日

Q:牧場ようちえんでの生活や活動の流れを教えてください。

上村さん/朝10時から行う朝会でみんなが顔を合わせて、ぽっこの1日が始まります。朝会では絵本を読んだり歌をうたったりして、前日の活動を振り返りながら、今日一日子どもたちが何をしたいかそれぞれ意見を出し合います。そして、楽しく安全に一日を過ごせるようにみんなでお祈りをしたら、活動スタートです。

年少(りす組)・年中(ひつじ組)・年長(うま組)の子どもたちが一緒に過ごす
朝会で、「ウシガエルをつかまえる!」「〇〇くんとあそびたい」「バランスボールであそびたい!」など、一人ずつ“今日やりたいこと”を発表

ぽっこはハーモニィセンター蓼科ポニー牧場の敷地で活動させてもらっていて、敷地内の林が私たちのホームなんです。ほかにも近くに森や池があるので、お弁当を持って出かけていったりもします。この敷地内だけでも結構歩くから体力が付くし、平坦な道ではない所を行くことが多いので、かなり体幹が鍛えられます。たくさん転んで、たくさん泣いて、そのうち上手に転ぶようになるんですよね。 

朝会後、この日は敷地内でそれぞれ自由に過ごした
今日子どもたちと一緒に過ごしたポニーのしずく(右)とひな(左)
先を行く友達のように登れず、もどかしさや悔しさがあふれ出た。彼はひとしきり泣いた後に自分で気持ちを立て直し、何度か木からずり落ちながらも登り切った
今日はとにかくたくさんカエルを捕まえる!と意気込んでいた男の子。カエルも餌にするハエも素手で捕まえる

体も心もたくさん動かして、自分がしたかったことを存分にやったら、拠点にしているテラスに戻ってお弁当です。その後、またあそんで帰りの会。14時に降園するというの1日の流れです。

この日は久しぶりによい天気だったので、お昼ごはんの前にポニーたちのシャンプータイム。やりたい子は参加し、その間テラスであそんでいる子もいる。それぞれの意思が尊重される
テラスのどこでお弁当を食べるかは自分で決める。「今日は〇〇くんと食べるの」
拠点のテラス外観

Q:一年中、ほとんど屋外で過ごしているんですよね

上村さん/そうですね。よっぽど天候が荒れていたり、寒さが厳しかったりしたら、施設内の建物をお借りして中で活動することもありますが、ほぼ外で過ごしています。たまに屋内で過ごすと、子どもたちのテンションが上がりすぎてしまって、大変なことに・・・。外ってすばらしい! 壁がないってすばらしい!って思います(笑) 心がキュウッと締め付けられることがあまりない。この野外の開放的な空間で、何かあったら一人になって、気持ちの切り替えができたりするんですよね。雨が降ったらテラスに行けば屋根があるし、半端なく寒い冬の日にはどうやったら暖が取れるかって考える。お弁当も凍りますからね(笑)火であったまろう!と毎日マッチを使っていると、子どもたち自身で火を付けられるようにもなっていきます。

テラスには子どもたちのロッカー、製作に使う画材や道具、絵本、カードゲームや備品なども置いてある

■自分たちで生活をつくっていく

Q:『ぽっこ』で大切にしていることは?

上村さん/まだ年度の前半なので、朝会で各々から出てくる「やりたいこと」もまだかわいい内容なんです。カエルを捕まえる・・・うん、いけるなって。でも、経験を積んでやりたいことも活動も広がっていく中で、だんだん突拍子もない内容が出てきたりもするし、「〇〇は池に行きたい」「□□はぽっこの森にいたい」というように、それぞれの意思もはっきりしてくる。そういう状況での話し合いが、秋ぐらいになると、年長児が中心になって子どもたち同士でもてるようになってくるんです。「これとこれをやるためにはどうするか?」と考える。それで朝会がすごく長くなることもあります。でも、そうやって自分たちで自分たちの生活をつくっていくのって最高だな!と思うんです。すごく長い朝会を経験すると、次の日は「いいよ、そうしよう!」ってすんなり決まったり、「昨日は僕の言うこと聞いてくれたから、今日はみんなのやりたいことやるといいじゃん」と言ってくれる子がいたり。そんな様子を見ながら、ときどきこちらからポンと提案を入れてみることも。そういう一つ一つが経験。朝会がそうやって変化していくのがとっても楽しみなんです。

自分の思いを人に伝える、自分が言ったことを達成するというのは、とても大切な力です。自分たちで生活をつくっていく中で年齢関係なく対等に話し合うし、まだ言っていない子がいたら教えてくれる。違うと思ったらちゃんと違うと伝える。そうやって切り開いていく力、自分で生きていく基礎になる力をもって、小学校に送り出してあげたいというのは思っています。

Q:朝会でのお祈りの時間も印象深かったです

上村さん/一日の始まりや森に入るときにみんなでちょっと立ち止まって整える時間をもちたくて、「森の神さま、牧場の神さま、かわいいポニーたち。今日子どもたちにとって楽しい一日になりますように。どうぞお守りください」とお祈りをしています。私たちは自然の中で、生きているものだらけの中にいるんだということに気持ちを向けるひとときにもなっています。子どもたちを見ていると、森の中の物を持ってきたときに、「森の神様、これちょうだいね」というような感覚があるんですよね。そして、あそび終わったらまた森に返す。

ある男の子が森で拾ったお気に入りの棒をなくしてしまって、「森の神様~! 棒どこにいっちゃったのー? もう1回僕にあそばせてくださいー!」って言いながら探し回っていたんです。日々やっていることが子どもたちの中に入っているんだな、すごいな、この子たちしっかり生きてるなって感じました。

帰りの会でも、「ぼくはこれやった」「私はこうだった」と話しながらお祈りをします。昨日は田んぼに行ったんですが、お祈りで私が思わず「牧場の神様」と言ったら「違う!」って子どもたちから突っ込まれて(笑) そういえばカエルにも会ったよねと言って、「田んぼの神様、カエルの神様、ありがとうございました」と。こういう振り返りから、子どもたちの中に積み重なっていくものがあるのだと思います。

Q:野外保育では、通常の保育にはない危険や予期しない出来事がありそうですが・・・

上村さん/そうですね。小さい怪我を経験しながら、大きい怪我に繋がらないようにするにはどうしたらいい?と想像したり、備えたりする学びがとても大事です。ポニーの後ろに立つと蹴られることがあるから、そういう場面を見かけたら「そこ後ろだよ!」と声をかけ合おう。触ると危険な植物を知り、見つけたら教え合おう。そうやって子ども同士で注意し合って、自分の身を自分で守る術を経験を通して学んでいきます。

また、子どもたちが「危ない」と思うことがあったら、「なんで危ないんだろう?」「じゃあどうする?」と話し合ってルールを決めていきます。「ここには登ったらいけません」と大人がルールを決めるのは簡単だけど、そうじゃなくて自分たちで考える。自分たちで納得して決めたことだから、しっかり守るんですよね。これも大切な生きる力ですよね。

Q:大人の立ち位置はどのように意識していらっしゃいますか?

上村さん/子どもたちにとっては、自分たちの生活の中に大人もいるという感覚なのかなと思います。私は保育士経験もありますが、児童養護施設で働いたこともあって、その当時は毎日いろんな年齢の子どもたちと生活していました。その感覚で、先生とか、年齢が上とか下とかじゃなくて、子どもたちと一緒に生活していって、その子にとって必要な何かを手助けすることで育っていくといいなと思っているんです。ある子が「自分のやりたいことを叶えるために、池に行きたい。でも、大人に見ててほしいな」と思ったとき、「ちょっと手伝って」と声をかける人というような存在。先生というよりも。それは私だけじゃなく、ほかのスタッフさんも同じ感覚でいてくれています。

その子が気持ちや思いを伝えられるよう、割って入るのではなくそばで支える

また、ぽっこを立ち上げる前に別の野外保育に関わっていたこともあるんですが、そこで、「環境」があれば子どもが育つんだというのを目の当たりにしました。だから、場を用意する、その活動ができるように子どもの育つ力を信じて見守る、というのがぽっこに携わる大人たちの役割だと思っています。

■ポニーとの生活

Q:子どもたちにとってポニーはどんな存在なんですか?

上村さん/この蓼科ポニー牧場には、ポニーが30頭もいるんですよ。園児の数よりポニーのほうが多いんです(笑)子どもたちにとっては「いて当たり前」の存在で、「ポニーも友達」という感覚。みんなポニーたちの名前も、それぞれの部屋の場所もしっかり覚えています。

子ども同士でうまくいかないことがあったとき、ポニーに触れて気持ちを癒やしたり、乗せてもらったり。大人と子どもの間にポニーがいてくれて、力を貸してもらっています。さっき、私たち大人の立ち位置としては見守ったり、求められたら助けたりということを言いましたが、ポニーたちがいてくれるから、そうやって一歩も二歩も引いていられる部分があるのかもしれませんね。ありがたい存在です。

Q:今日も子どもたちがポニーに乗る姿がありました。それが日常なんですね。

上村さん/そうですね。ポニーに乗れた!というそれだけで、まず「できたね!」「今日は横向きに乗れたじゃん! すごいよ!」の一つになるんですよね。そこで子どもの中に「やったぞ」「よかった」という気持ちが生まれるのは、やっぱりポニーの力。ポニーの動きや速さに合わせて自分の動きをコントロールする、体を満たすというのは感覚統合にもなる。体幹が鍛えられて、体の育ちにもつながっていきます。そして体が満たされると、心も整ってくるんです。登園時に少し荒れていた子も、ポニーに乗ったら少し落ち着いて話ができたり。

ポニーに乗る活動って、引き馬だけではなくて、ゲームもできたり、ポニーの上で体位を変えてみたり、いろいろ幅広くできるんです。そうこうしているうちに、ガチガチにならずリラックスして乗れるようになる。最初はずり落ちていた子も、なんとか乗り続けられるようになってきます。年長児になると、自分で手綱を持って乗る経験もします。自分で操作するのって、すごく自信になるんですよね。

子どもたちや私たち大人を助けてくれているポニーたちですが、実はポニーも子どもたちに育てられている面があるんです。今日一緒にすごしたポニーの「しずく」は、ここに来た頃、全然人に慣れていませんでした。でもこうやって毎日子どもたちと過ごすなかで段々慣れてきて、仕事がもらえるポニーになってきた。大人だけじゃそうはならなかったんじゃないかな。子どもって突然大声を出したり、突飛な行動をしたりするけど、そういうのをしずくもだんだんと受け入れる状態になっていって。互いに育ち合っているんですよね。

草をもらって食べるしずく

Q:牧場ようちえんならではの光景がたくさんありますね!

上村さん/時々、ポニーが逃げ出すこともあるんですよ。そのときに、人間も一緒に動いたり逃げたりしてぶつかってしまったらアウト。なので、「ポニーが逃げたときは木になる」というお約束があるんです。両手を上に上げて、動きを止める。そうしていれば、ポニーは絶対にぶつかってこないので。そしてこれが「ポニーが逃げ出したごっこ」に発展するんです(笑)逃げる馬の役、「逃げたぞー!」って叫ぶ役、立ちはだかる役って、すぐまねっこあそびをするんですよね。これは、ほかの園にはないあそびではないでしょうか(笑)

■いろいろな価値観に出会って

Q:自然の中でたくさんの刺激を受けてたくましく成長していく子どもたち。蓼科ポニー牧場の敷地内という立地であることもあって、いろいろな人との交流もありそうですね。

上村さん/ここは一般の方もいらっしゃるし、私たちようちえんスタッフ以外の働く大人もいる。ふらっと近所の方が漬物を持ってきてくださったり。みんなが見てくれて、声をかけてくれて、怒ってもくれるし褒めてもくれる。いろいろな大人がいろいろなことを教えてくれるんです。さまざまな価値観をもった人と接し、かかわるこの環境で、また育つ部分があるのだと思います。

林であそんでいると牧場スタッフが大声で歌いながら現われた。子どもたちにほのぼのと声を掛けていく

牧場のスタッフさんたちは生き物を相手にしているから、子どもたちの感覚もよく察知してくれるんです。この子は発散したほうがいいなと感じたら、「ちょっとポニーに乗って走る?」って声を掛けてくれたりして。この蓼科ポニー牧場は、ハーモニィセンターが社会教育施設として運営している牧場なんです。だから、一般的な乗馬クラブとはちょっと違う。ここが「人を育てる・子どもたちが成長する」といったところに主軸を置いている場所であることも、今の恵まれた人的環境につながっているのだと思います。

Q:人の成長や交流を応援する視点で運営されている牧場なんですね

上村さん/そうなんです。その一つの事業として、牧場では週1回『ひだまり』という不登校の子どもたちの居場所づくりもやっています。その日は小学生~高校生の子どもたちが来て、ぽっこの子どもたちもいて、みんなでこの場所を共有して使うんです。一緒に集団あそびをしたり、ポップコーン作りをしたりする中で、お兄さんお姉さんにいろいろ教えてもらう・上の子たちが小さい子の面倒を見るといった関わり合いがあって、育ち合いがすごく見えてくるのがいいなあと。

今のぽっこは牧場のスタッフさんもいて、ひだまりの子たちもいて成り立っています。生き物もいろんな人たちも混ざってみんなでやるってすごく楽しいし、ぽっこのスタッフだけでなく、何かあったら互いに見守り合える協力体制がとっても心地よいですね。

■その子らしく生き生きできる場所に

Q:2年目を迎えたぽっこ。これまでを振り返ってみてどうですか?

代表の上村さん(撮影/中野明子)

上村さん/私はこれまで、保育園、児童養護施設、児童発達支援施設などでいろいろな子どもたちと過ごしてきました。この蓼科ポニー牧場にたどりついたのは、児童発達支援に携わっていたときのこと。私はそこの療育プログラムの一つとして用意されていたポニークラブの担当だったんだけど、馬にあまり乗れなくて・・・。子どもたちはどんどん上手になるから、誰かに教えてもらわなきゃ!ということでここに来たのがご縁でした。

その後、前の仕事を辞めて諏訪圏に移住し、野外保育に関わったり、『ぽこぁ ぽっこ』という任意団体を立ち上げて、この牧場で親子で過ごすお散歩会をしたり、地域の人たちにもポニーに乗ってもらえるような「牧場カフェ」を開催したりしていました。そういった経験を通して、この環境でいろんな人がこれだけ育つんだ!というのを実感するにつれ、ここで牧場ようちえんができたらいいな!やらないともったいない!という思いが高まってきたんです。でも、私一人が思っていてもどうしようもできなくて・・・頼れる仲間に出会えてようやく一歩を踏み出すことができました。

今一緒に働いてくれているスタッフの中には、森であそぶ幼児期を過ごしたり、実際にポニーから元気をもらったりした経験がある人もいるので、ぽっこの子どもたちが「楽しい!」と思う気持ちが自分事として分かって寄り添ってくれるのがうれしいんです。

スタッフAさん/私はポニーに乗ること以外にも、もっと馬たちのことを知ってスキルアップしておきたいと思っているんです。例えば、あるポニーが運動したほうがよさそうな状態のとき、最初はそのポニーに思いっきり走ってもらうんです。するとあるところでふっと抜けてくる感じがある。人と馬がつながる瞬間というか。馬はしゃべらないけど、サインを出すんです。その瞬間であれば、「今度はこうやってね」というこちら側からの働きかけがすっと入ったりする。それって、子どもたちとのかかわりにも言えるのかなって。

上村さん/そう! ポニーと子どものかかわりってすごく似ていて、やっぱりみんな生き物だって感じがするよね。

Q:これからどんな場所にしていきたいですか?

上村さん/体制的なことで言えば、今子どもたちは全部で10人ですが、ゆくゆく15人くらいまで増やしたいと思っています。学年ごとに5人ずつくらいいて、もう少し学年同士での関係も取れるようになるといいなと。

スタッフBさん/そうですね。いずれ、横の活動もできるようになるといいですよね。

上村さん/そして、今ここは無認可園で無償化の枠が2号認定の方だけなので、1号認定の方も選択できる園になるように、というのは思っています。ハーモニィセンターさんのお力を借りて、認定園化も視野に入れながら…。そして、馬と生活する「牧場ようちえん」というものが1つのスタイルとして増えていったらいいなって。「そういうのも楽しそう!」って思う保育者が増えたらうれしいなあ。

スタッフBさん/この蓼科ポニー牧場で育った子どもたちが大きくなって、子どもに接する仕事をしたいと思ったときに、働く場所の選択肢の一つにもなれますよね。自分が育ててもらったし、馬の楽しさも知っていて、今度は自分がその手助けをしたいという人たちの受け皿にもなって・・・。そういう所が増えたらいいですよね。

上村さん/『ぽっこ』はこれからも、一人一人がその子らしく生き生きできる場でありたいですね。

スタッフAさん/ここは人数が少ないこともあって、個がしっかり見てもらえていますよね。ポニーも見ているし。うまくいかないことがあっても、安心して自分を出していい経験を、ここで今、いっぱいすればいいですよね。

上村さん/いっぱい失敗してみたらいいよね。

スタッフBさん/れいなっぱ(上村さん)が、「例えば子どもたちが感情のコントロールがうまくいかずに困っている場面では、じゃあちょっとこっちからつついてみようかな?って考えるのが楽しいんだよね」と言っていて、すごいなあって。それが大変!なんじゃなくて、マニュアルでもなくて、「今のこの子、どうかな?」というのをすごく真剣に考えて、生きた関係を築こうとしてる。それが子どもたちにも心地よい感覚として伝わっているし、保護者の方にも伝わっていると思う。

上村さん/私が子どもたちからパワーをもらっているんだよね。長い休みに入ると調子崩しちゃう(笑)ここには自然があってポニーがいる。それだけで十分育ててもらえるよね。そして何より、子どもたち自身が力をもっているから。そこは信じられる。また今年1年変化していくのが楽しみだね。うらやましいね、子どもたちって。

 ライター/中野明子 撮影/いわさきあや (この記事は2022年5月時点の内容です)

■編集後記

ぽっこの子どもたちの喜怒哀楽の豊かさ!たくましさ! 瞬間瞬間を生きているエネルギーに満ちていて、この日の新緑のようにまぶしくて。子どもたちがまるできょうだいのようにぶつかり合い、助け合う姿が見られるのは、“ここでは素の自分が丸ごと受け止められている”という安心感がベースにあるからなんだろうと感じました。体も心も思う存分動かして、仲間と知恵を出し合って自然の厳しさや魅力を味わう体験を重ねるぽっこでの3年間は、この子たちのこれからをしっかりと支え続けることでしょう。ぽっこの保育に触れ、改めて「幼児期に大切にしたいことってなんだろう?」と考えました。長野県は特に野外保育が盛んな地域でいろいろなスタイルがありますが、実際どういうことをしているのか、あまり広く知られていない印象があります。我が子が育つ環境を検討中の人、保育の仕事に携わりたい人にとっての選択肢の一つとして、こういう保育のあり方ももっと知られていくといいなと思った取材でした。

■施設情報

牧場ようちえん ぽっこ
活動場所:公益財団法人ハーモニィセンター 蓼科ポニー牧場内
(住所:茅野市豊平字東嶽4734 三井の森内)
TEL:090-3442-0178(上村さん)
最新情報:Facebook「牧場ようちえん ぽっこ」



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